ゲーム攻略本が設定を創造する―、あるいはガノタは「さんせつこん」をトンファーにする

ゲームの攻略本が好きである。
楽しみ方はいろいろで、パラメータを比べたりするのはもちろん、一度クリアしたゲームでも過程を再確認したり、知らない攻略法に驚かされたり。
攻略本がなければ見つからない隠し要素なんてのもいいが、やはりゲームに出てこない裏設定が書いてあるのは良い攻略本だと思う。

名著「ウィザードリィのすべて」の話をする。
著者は「隣り合わせの灰と青春」でゲームノベライズの分野を開拓したベニー松山。
本書はファミコン版「ウィザードリィ」と「ウィザードリィII」の攻略と解説書であるが、ゲームの攻略本としては珍しく著者名が表記されている。
攻略本としても基本を押さえたものとなっているが、見どころは読みごたえがある解説だ。モンスター、シナリオ、アイテム、呪文、街の運営やゲームシステムの解釈に至るまで、様々な解説がなされており、読み物としての完成度が高い。
本書はアスキー協力のもとに編集されたようだが、設定のほとんどはベニ松氏のオリジナルと思われる。「隣り合わせ~」でフラックのブレスの属性を間違えてたことに言い訳も書いてある。
「ウィザードリィ」はモンスターの設定がゲーム内では確認できないので、本書の解説は主にパラメータと末弥純のイラストに基づいた創作。もっとも、そのイラスト自体が他のモンスターマニュアルに元ネタがあったりするようだが。
ウィザードリィは原作に明確な設定のないゲームだから、このように独自解説を書くのも自然なことだった。
間違いもちょっとあるよ。レベル10ファイターは名に反してレベル7なんだけど(マカニトが効く)、本書はレベル10だと信じてるようで、レベル8より性能が劣ることを不思議がっている。
「ささえのたて」が8Fで入手できるというデマもこの本にある。実際は入手法はないようである。でもたまに入手報告あるんだよなあ。8Fだから出るって設定はしてないと思うが…
こういう間違いがあるのも、攻略本をメーカー提供のデータに頼らず(というか完全なデータが提供されてないのだろう)、手作りしてる裏返しであると言えようが。

ウィザードリィで密かにおすすめなのが、ローカスの「ウィザードリィ リルガミン サーガ 公式ガイドブック」。「ウィザードリィのすべて」と対照的に、設定面の掘り下げはほとんどないが、こちらはデータ面が充実している。ACが命中率に与える影響や罠解除の成功率など、ファミコン版では公にされていなかった具体的な計算が載っている珍しい本だ。まあPS版とファミコン版で計算違うものもあるが、かなり概要は通じるだろう。
敵が落とすお金とか、侍のHPの計算法(1レベルぶん多くダイスを振る)とかこの本で初めて知った。クリーピングコインはお金を持っていないと言われていたが、実は落とす金額が同ランクの敵より多いらしいぞ!
あと単純にPC版マップのダイヤモンドの騎士の攻略本は貴重。
また、移植スタッフのインタビューだけでなく、珍しいことに末弥純と羽田健太郎のインタビューが載っている。これもポイント高い。
この本の弱点をあげるなら、何を思ったか地図をポリゴンで描画していて読みにくいことだ。データもかなりレアな情報が載ってるのはいいが、戦闘の計算がコラムとして飛び飛びのページにあったり、#1から#3の三作のデータが変な順番で載ってて散り散りである。読みやすくない。

ゲーム中に出てこない設定が攻略本に書かれるというのは「ウィザードリィのすべて」に限った話ではない。FFの攻略本も大好きですよ。
NTT出版の「ファイナルファンタジーIII 第1巻 基礎知識編」
本書は本格的な攻略に踏み込む前の、ジョブ、魔法、さらに世界観の詳細な設定解説書だ。あと石井浩一さん、時田貴司さんと、スクウェア社員の人のイラストがちょっとだけ載ってる。
この「基礎知識編」には大きなバックストーリーがあり、過去にサロニアとサスーンの間で起きた黒魔道士と白魔道士の戦争というのを記述している。その脇でファルガバードを興した魔剣士レオンハルトの話や、街の人口とか面積とか、ゲームを進めるうえで何の役にも立たない情報が山ほど載ってるぞ。アムルの人口598人とか何を数えたんだ。
いやこれは面白いんだけどこれ公式設定?って不安になる。

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でもオフィシャルガイドブックって書いてあるし…
しかし本書以外でサロニアとサスーンの戦争なんて聞いたことねえしDS版でも全く出てこなかった。本書の内容はその後別の公式本やDS版に反映された様子はない。

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ジョブチェンジで少年たちにヒゲが生える理由は個人的にこれで納得している。性別もか。

NTT出版のFF3攻略本は全3冊。「第2巻 完全攻略編 上」「第3巻 完全攻略編 下」がある。2巻以降はストーリーを追った攻略と、アイテム、モンスターの解説だ。こっちも見どころは多い。
この記事で注目したいのは没モンスター。ファミコン版FF3には「グラフィックとパラメータが設定されているがどうやっても出現しない」というモンスターが数種類存在する。ところがそのうち何体か、「さまようきんか」「フリアイ」などが間違って?攻略本に載ってる。
この攻略本に載っていた没モンスターは、DS版では正式に出現するようになった。
だが全部ではない。データ内に存在していて攻略本には載っていなかった他の没モンスター、「フェニックス」「テリブルドラゴン」などはDS版にも登場しない。

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さらに、この「シードラゴン」は他の没モンスターと違い、ファミコン版のデータ上も存在しないそうだ。攻略本のパラメータはネプト竜と大部分一致しているとのことで、データごと改名されたと推測される。そのシードラゴンだが、DS版ではかなりレアなモンスターだが出現する。
すなわちDS版は、ROMの中に埋もれていたデータだけではなく、攻略本も参考にして没モンスターを復活させたと考えられる。そういうこともあるわけ。

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アイテムのほうも。有名なページだがトンファーはサイで三節棍はトンファー。
ライターは「さんせつこん」が何だかわからなかったのだろうか…でもゲームのグラフィックはどっちもヌンチャクといっしょだしサイってことはないよなあ…
イラストが間に合わない事情があって仕方なく別のものを転用したんだろうか。
逆にサイに対応する武器はFF3にないんだけど、何のために描いたイラストだ?

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モーニングスターもこんなイラストだけどゲーム内ではちゃんとモーニングスターだからな!しかもこのゲームにメイスなんて分類ないから!
ただでさえバイキング使わないので知ってる人ほとんどいないと思うけど、FF3のモーニングスターは戦闘では固有グラフィックの鎖鉄球で、ヌンチャクの色違いで済ませているトンファーと違ってちゃんとモーニングスターの名にふさわしいグラフィックがある。攻略本のイラストは完全な間違い。

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説明文はあってる…

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だいたいこれはFF2のミスリルアクスのイラストだ。これは徳間書店の「ファイナルファンタジーII完全攻略本 上巻」(公式という表記のない本)。違う出版社でイラストの使いまわしがあるということは、これら武器イラストはどうもスクウェア側から提供されたものではないかと思うが、謎である。
実在の武器に対する間違った解説。そういうこともあるだろう。当時の最大手レベルのRPGでさえも、攻略本に正しいことが書かれないというのはありえる話だった。それはそれで記憶されるべき話ではないだろうか。
「ウィザードリィのすべて」にも、フレイルが何か知らないように感じられる記述があった。

あと「あくまのためいき」
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それっぽい解説がついてるが、実際の効果はエスナではなくキルだ。攻略本が間違い。
だがなぜかDS版ではエスナの効果の「てんしのためいき」に変更されている。スクエニ的に攻略本の解説が正しくてゲームのほうが間違ってるって判断でもあったんだろうか?
どうせ影の薄いアイテムだから、あえて古い攻略本の誤記に合わせてみた?これも不思議な話であるね。

NTT出版のFF攻略本というと、FF4以降の点描イラストも馴染み深い。「SFC時代の攻略本版エクスカリバー」のデザインは、ゲームの印象とはだいぶ違うのだが、FF12のトウルヌソルの元ネタとして使用された(正確には5のエクスカリパーのイラストとのことだが5の攻略本は持ってないの)。リメイクや続編で過去の攻略本からネタを拾う事例は探せばそこそこあるのだ。

プレミアがつく攻略本も増えてきて、まあレーシングラグーンファンブックみたいな珍しい本ならそれもわかるんだけど、正直とても貴重なようには思えない攻略本も高値がついてたりする。古いハードの本をなぜかブックオフが扱わないせいもあるんかなあ。
ラグーン以外で僕が持ってるやつで言うなら、スーパーメトロイドの攻略本がかなり値上がりしてるようだ。
「任天堂公式ガイドブック スーパーメトロイド サムス・アランの2時間59分」。あの複雑なマップの惑星ゼーベスを、ベストエンドの時間内でアイテム全回収できる攻略ルートで完全解説する攻略本だ。序盤にボム取った直後に遠回りすれば取れるアイテムも、わざと後回しにして最短ルートで進めていく熱い攻略。
さらにスタッフインタビューや占星術師アリアドーネ・ユウコさんによるサムスの夢診断コーナーもあるぞ。
この本も設定書として価値がある。
メトロイドには北米のNintendo Power誌に載ったスーパーメトロイドの漫画というのがあって、それが21世紀以降のメトロイドの設定の基礎になってるんだけど、当時の日本版では、その漫画の一部カットや解説が、この小学館の攻略本に断片的に載ったくらいしか情報源がなかった。
サムス自身が鳥人族の後継者であることと、キートン議長の名前は、日本版ではおそらくこの攻略本が最初に出したものだ。
もっとも、北米版の漫画にあったサムスの育ちも惑星ゼーベスであることや、リドリーとの因縁などはこの本にも書いてなく、日本版では長年明かされてなかった(はず)

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攻略ページにあった惑星ゼーベスのえらく細かい設定。これは北米版にはない設定のようだ。今回確認してないがマガジンZ漫画版に一部反映されてる模様。

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こっちにはアイスビームのものすごい設定が書いてあるが、これはなかったことになっており、現在も普通に冷気として説明される。

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あと白黒ページにクリーチャーの名前、説明書に載ってないやつもこの本で一通り明らかになるが、フーネのパワーアップ版ナミヘ。ネーミングひどすぎるだろ。
このスーパーメトロイドに限らず、アクションゲームは攻略本がないと名前わからない敵がかなり多い。コンボイの謎の攻略本もザコ敵の名前全部載ってるやつ持ってたんだけど、どこかにしまい込んでしまった。

そう、今回の記事で書こうと思ってたんだけど発掘できなかった攻略本がひとつあるんです。双葉社の「メトロイドII必勝攻略法」。
「公式」とつかない薄い攻略本で、攻略も手作りで不完全で、載ってないミサイルタンクがいっぱいあるという、あまり優秀とは言えない本だ。ただしメトロイドIIの紙の攻略本はこれしかない。
メトロイドIIはスーパーメトロイドと違い、クリーチャー名が一通り説明書に載ってるので、この本で明らかになる情報はラスボスの名前(説明書には載ってないが、公式サイトには載ってる。おそらくゲーム誌などで公開されたのだろう)くらいなんだけど、ひとつだけ気になる情報がある。メトロイドIIには序盤から出てくる「上から落ちてくるスクリーみたいな敵」がいるんだけど、全ザコの中でこいつだけ説明書に掲載されていない。
海外でも「Yodare」という非公式の通称があるのみだった(誰のネーミングかは知らん)。
双葉社の攻略本もこの敵だけ紹介をスルーして、名前は掲載していないんだけど、しかし攻略ページのどこかに「通路の上から落ちてくる岩つららに気をつけよう」みたいなことが書いてあったはずなんですよ。こいつ特につららのようなクリーチャーではないんだけど。
時は流れ、サムスリターンズにこいつも登場した。そして、その北米版の攻略本でこいつの名前が「Rock Icicle(=岩つらら)」になってたんだと…
公式じゃない攻略本由来の情報が26年後に海外で反映されたということ?そこまで読み込んだマニアがいたんだろうか。
興味深い話だ。
ここまでわかってるのに、この攻略本を発掘できず、記憶のみで書いてるのは非常に残念な感じなので、もし発掘できたら更新したいと思っています…
なおサムスリターンズは日本で攻略本が出ておらず、クリーチャーの日本版公式名は全部不明である。




攻略本は公式かどうか関係なく、たまにゲームに存在しない設定を発生させることがある。それが時を越えて、ゲームのほうに反映されるということさえあるのだ。そのパターンはおおむね以下の3通り考えられるだろう。

1.もともとゲームの製作側にそういう設定があって、たまたま攻略本で発表された。
これは普通。

2.攻略本のライターが独自に設定を作った。
これもありうる。

もうひとつのパターンとして、
3.攻略本のために制作側が新しく設定を作った
というのも考えられる。FF3基礎知識編はライターが作ったパターンのような気がするが、「あくまのためいき」の件とかを見ると、一部公式が作ったものも入っているのではないかと思う。

誤解してはならないが、仮にライターの創作設定であったとしても、それが間違ってるとは限らないことだ。オフィシャルを名乗る以上、公式サイドは一定のチェックをしてお墨付きを与えているはずである。イラストは公式側の提供っぽいし。そこに公式性がないわけではない、公式の名に信頼はあるのだ。


そういうチェックしたうえで、さんせつこんを通してしまったスクウェアは甘いというのは、そうだが。
「ウィザードリィのすべて」の場合なら、これは良書だし突飛な解釈をしてるわけでもないけど、たぶんチェックしてるのはアスキーだけで原作メーカーのサーテックはほとんどチェックしてないだろうということも言える。ほぼ独自解釈本だろうと判断できる。

実在の武器やモンスターに対して間違った解説をしてしまうのを責められはしないこともあるし、独自解釈することもあるだろう。ゲームに出てない部分の設定に解釈を与えるのも攻略本の仕事だと考えられる。
もっとも、ゲームの大容量化で、そういう解説がゲーム自体に付属することも多くなった。
攻略本に解説が必ずしも求められなくなっていくのは、もう20年前のリルガミンサーガの攻略本でも既にそういう傾向が見える。
でもそういう解説があるのとないのでは、やっぱりあったほうが嬉しいと思うのである。

ところで、実在の武器や既知のモンスターではなく、既存のロボットアニメの設定で、攻略本のライターによる創作が行われていたらどう思う?
うん、またなんだ。
長い前フリだったが、これはガンダムゲーの攻略本についてのお話なんです…
以下はある程度ガノタじゃないと面白くないです…
むしろガノタでもちっとも面白くない、不愉快に思えるかもしれません…書いてる僕がそんなに面白くないです…
[ 2018/01/26 22:48 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)

メトロイド サムスリターンズの感想



きんきゅうしれい
わくせいSR388の「メトロイド」をぜんぶやっつけろ。



ちょっとプレイから時間が開いてしまったが、昨年発売された「メトロイド サムスリターンズ」は久しぶりにメトロイドだと思うゲームだった。なにしろ2Dメトロイドはゼロミッションから13年ものブランクがある。アザーMからでも7年も経っているのだ。
まあフェデレーションフォースからならそんなに経ってないが。とにかく久しぶりのメトロイドで間違いない。僕にとっても僕以外にとっても。

もとより「メトロイド」はシリーズの出ていない期間が長く、初代からIIでも6年近く開いている。スーパーからフュージョンまでは9年ものブランクだ。
それでも北米を中心に根強い人気のあったメトロイドはスマブラにも参戦し、21世紀になってシリーズが復活する。ここでメトロイドは2Dアクションのメインシリーズと、3DのFPSとして生まれ変わった「メトロイドプライム」のふたつのシリーズに分岐した。
「メトロイドプライム」3部作はレトロスタジオ製であり、任天堂開発の2Dシリーズとは一線を画していた。
[ 2018/01/04 00:28 ] ガンダム以外 | TB(0) | CM(0)

カカフリが熱い

テレ朝のアレで仮面ライダービルドの裏番組にされてしまったドラゴンボール超は宇宙サバイバル編が始まって既に半年以上。力の大会開幕からでも4ヶ月が過ぎた。48分あった試合時間も残り19分…まるでナメック星で戦っているような進行速度だが、このシリーズで注目されるのはフリーザである。
ドラゴンボールは一度は敵だったものが仲間になるパターンを繰り返してきた漫画だが、他の漫画と少し違うのは悪人が悪人のまま仲間になることがあることだ。ピッコロは仕方なく共闘した後で改心していった。ベジータは改心しきれなくて悪人に戻るために裏切った。
それがドラゴンボールという漫画であり、ついに原作中で仲間にならなかったフリーザもその対象となる日が来た。

フリーザと悟空の関係はそんなに長くはない。フリーザにしてみればしぶといベジータを倒したら急に出てきた知らないサイヤ人で、2度目に自分を殺した相手ではあるが戦ったのは正味2回だけ。
悟空にしてみても惑星ベジータの記憶はないし、クリリンも生きてるので仇としてはそれほどこだわってない。
これまでのフリーザは単純な強敵であり、正しいライバルの位置に立ったことはなかった。
復活のFまでのフリーザの扱いもライバル的ではなかった。アニオリの地獄でセルと一緒に出てきて適当に倒される。復活のフュージョンで適当に生き返ってインフレについていけず瞬殺。
「復活のF」の功績は、インフレを解消してフリーザを一線級の戦士として生き返らせたことだ。

フリーザのスカウトを思いついたのは悟空だ。だいたい悟空自体そんなにすごくいいヤツじゃないので、そういう仲間を許容する男で、ベジータさんですら反対なのに、なんか嬉しそうにやたらフリーザを推す悟空。いやおそらく本当に嬉しいのだ。悟空は合法的にフリーザを味方にできることを喜んでいた
そしていざ会えばそんな浮かれた様子を全く見せずに、まるで何ヶ月も戦い続けた宿敵のように険悪な空気を演出しながら、お互いなぜかお互いのことを理解してて妥協点の探り合いをやる。
あのフリーザが悟空をよく理解してるのだ。ベジータの思考は大して読めてなかったフリーザが悟空のことはよくわかってる。自分と戦いたいのだろう、自分の強さを見たいのだろうと煽ってくる。その通りなのでちょっと苛立ちながらも認めてしまう悟空。
この関係、完全にキている。
サイヤ人嫌い、特にソンゴクウのこと大嫌いなフリーザ様、嫌いすぎて生き返る予定もないのに死んでる間もずっと悟空の倒し方考えててイメージだけでパワーアップしちゃうほど嫌いなので、誰よりも悟空の煽り方を知ってる。だけど煽るだけじゃつまらないからつい挨拶ついでに殴っちゃうくらい嫌い。
実際会ってみたら悟空もフリーザのことやっぱり嫌いなので思わず殴り返しちゃう。いくら悟空さでも意味のない暴力を気軽に振るえる相手など今までいなかった。これは…すごいぞ。カカフリの危険性はもはやただのパパ友と化したカカベジを越えている
フリーザはカカロットと呼ばないけど響きがいいのはカカフリだな。

さっさと行きたい悟空に「あなたも付き合いなさい」って命令系で言うところはもう最高。
こいつら本当に嫌い合ってるはずなのに、なんでこんなやつと組まなきゃならないんだとイヤになることは全くない。お互いを理解してる。この関係が成り立つのも、どちらかと言えばフリーザのほうが悟空を信頼しているからだ。
フリーザは長年死んでる間に勝手に理想の上司とか勝手に言われたりしたけど、実際はギニュー隊長以外の部下には優しくない人である。
そのフリーザが悟空を助けることに抵抗はないのか?
ない。かつてナメック星で助けたのと逆の立場で、助けられた悟空もあまり気持ちよくないからな。フリーザは悟空をちょっと扱いにくい部下と同じレベルで制御できるし、悟空を助けるだけで悟空を苦しめることもできるので気分は最高である。でも見られたら恥ずかしいので見えないところでバレないように助けるのは忘れない。宇宙の帝王がデレるところを見せていい相手は悟空だけ。

余裕の態度のフリーザはジレンの相手をするのは悟空だと言う。悟空ならばジレンを倒せるという本心からの信頼なのか、それとも実はフリーザも悟空と同じレベルのパワーアップができる自信があるのか。
やっぱりフリーザは第7宇宙の存亡もどうでもよくて、最高のタイミングで裏切るつもりなのか?
この味方なのにちっとも油断できない危険性こそ、フリーザに求められていたものではないだろうか。

「復活のF」の功績は、インフレを解消してフリーザを一線級の戦士として生き返らせたことだった。理想の上司などという原作にそぐわない虚像を否定する悪くて強いフリーザの復活。
しかし…それだけの話なら予告編だけで終わっておけば良かったのだ。普通に悪くて強いフリーザを普通に倒して終わる話で盛り上がれというのは厳しいものがあって、それだけでも厳しいのにパワー切れ狙いなどというつまらない勝ち方。やろうと思えば理想の上司という虚像を実体化させることさえできただろうに、ただの悪い奴である。ライバルとも言えない。この先のフリーザの扱いに暗雲が立ち込めたと言っても良かった。
だがその不安を解消するように、悪くて強いフリーザの完全復活だ。悪くて強いのに仲間。仲間なのに全く安心感がない。なのに助けてくれるし頼りになっちゃう。
これは復活のFの不遇を経たからできる展開だ。映画とテレビで2度も同じことをやったのは無駄ではなかった。決して相いれないフリーザと悟空の、ベジータとは全く違う位置でのライバル関係。連載終了から長い年月を経て、強いだけではない、安易に理想的なキャラ付けでもない、本当に悪いフリーザ像はついに完成に至ったのである。

まあ…
たぶん今のフリーザの活躍ってほとんど原作者の案じゃなくてアニメのスタッフのオリジナルでさ…アニメのスタッフはよくやってると思うんだけど…
フリーザの活躍はいいけど宇宙サバイバル編ってストーリーものしてどうかと思う展開で…バトルロイヤルなのに戦いが同時進行してる感じが全然ないし、何ヶ月もやるバトルロイヤルに48分って時間を与えてしまうのは構成レベルでどうかしてる。で、今までのパターンからして原作者の原案によるろくでもないオチ、たとえばフリーザが消滅する的な…が待ってる予感が既にあるわけである。

ドラゴンボール超だっていつかは終わるし、宇宙サバイバル編かその次くらいで終わるのかもしれないが、今のフリーザと悟空の関係は先につながるものであってほしい。
[ 2017/11/15 23:03 ] ガンダム以外 | TB(0) | CM(0)

∀ガンダムとGレコの時系列と真意

「ガンダム Gのレコンギスタ」は「∀ガンダム」の500年程度未来を想定した物語である。
放送終了から半年近く経った2015年8月27日、生配信されたトークショー「夜のGレコ研究会 ~富野由悠季編~」(跡地 http://live.b-ch.com/g-reco)で富野監督によって不意に明かされた事実だ。
これは大変な混乱を生じた。同席した小形プロデューサーを筆頭に関係者の誰もこの事実を知らなかったし、リギルド・センチュリーは∀ガンダムの時代「正暦」より前と放送前から設定にも明記してあったからだ。
それから2年が経過した。表向きは何も起きていない。何も。

・ターンエーは最後のガンダムである
はずだった。それは「∀ガンダム」という作品内だけで留まる話ではなく、以降に作られるすべてのガンダムに対して強制力を持つ設定であった。00もAGEも全て黒歴史に含む。
プラモの説明書にもそう書いてある。
MGターンXの説明書
当然「Gレコ」もそうだと思われており、メカデザイナーを含む何人かの関係者もそれを意識して制作していたことは幾つかのインタビューでも明らかになっている。
Gレコの設定でも、リギルド・センチュリーは「『∀ガンダム』で描かれた"正暦(Correct Century=C.C.)"よりも前の時代に位置する。」と最初から書いてある(先行上映のパンフレットの記述)。このような明記は異例なことである。00やAGEは黒歴史に含まれると作品の外側で言われつつ、わざわざ作品内の設定で宣言などしていない。設定で正暦より前だと宣言しているリギルドは、∀に明確につながる物語だという意識が他のガンダムより強かったように見えた。…番組の外では。
※SEEDは黒歴史関係の話題が設定上にもあったかもしれない

・設定は変わっていない
富野監督自身がよく自覚しているようなのだが、トミノの発言に公式設定としての効力はない。Gレコは∀より後だと富野が言おうと、それが関係者の承認を経て公式設定とならなければ効力がないのだ。
で、研究会から2年が過ぎた2017年現在の状況を確認しておくが、どうも2年経っても設定が変わった様子がないのである。
そりゃGレコの設定がいまさら更新されるタイミングがないから、そうなるでしょ。

発売が延期されて研究会の翌月に出た「ガンダム Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック」が最後のチャンスだった気がするのだが、この本の用語集でもリギルド・センチュリーの項で「なお『∀ガンダム』の作品世界「正暦」は、さらに先の時代である。」って書いてある。延期しても反映するヒマはなかったか。
また各種文献にはこの設定が書いてあるが、公式サイトの用語集には正暦との関係が書いてなかったので、特に更新されることもなかった。
これが公式サイトにも書いてあったなら、逆に後からでも更新しなおすこともできただろう。

・発言自体も消え去っている
研究会の映像はスマホアプリ「ガンダムチャンネル」で再配信され、問題の部分も編集されていなかったので、公式的にはセーフな発言だったのだと思う。
しかしガンダムチャンネルはガンダムファンクラブに移行し消滅、研究会の動画もどのタイミングで消えたのか知らないが、今は残ってないようである。gundam.info等での公式レポートもなし。ガンダムエースとかにもたぶん書き出されてない。
富野の発言は公式には残っておらず、見ていた人間の非公式な伝承の中だけに残されている。

これが2017年現在の状況だ。
いや劇場版Gレコが正式発表されれば何らかの設定化はあるかもしれないが、劇場版がないんだからしょうがないじゃない…
公式サイドこそ発表のタイミングをじっと待ってる可能性はあるものの、2017年9月時点では相変わらず「Gレコは∀ガンダムより前」というのが公式設定のままである。客観的にそう考えるしかない状況にある。

ここからは長い話になる。
[ 2017/09/18 19:48 ] ガンダム | TB(0) | CM(2)

レーシングラグーン ファンブック GALE A MOMENT

プレイステーションソフト「レーシングラグーン」は1999年6月10日に発売された。
現在でこそポエムゲーとしての評価を確立しているが、当初はあの強烈なシナリオ部分に突っ込んだレビューがされておらず、正しく評価されていた記憶はない。プレイした一部の人間がどうもおかしいと気づき、口コミで広がり始めるまでに一年くらいかかってたようだ。
そんなレーシングラグーンのわずかに存在する関連商品としては「横浜最速攻略本」「サウンドトラックCD」そして「ファンブック」の三つがある。
これらを三種の神器と称する。(ちなみに僕もサントラは持ってない)

「レーシングラグーン ファンブック GALE A MOMENT」は、1999年7月15日に、故デジキューブより発売された。
当時あった公式の紹介はこうだ。
デジキューブ公式サイトのアーカイブ
「男は何故、スピードを求めるのか?」速さにひかれた男達のエピソードがちりばめられた「レーシング ラグーン」ファンなら当然のこと、車好きにもたまらない、魂のこもった熱い一冊。[徹底取材]フォーミュラニッポン、GT選手権で活躍する2人の現役レーサーが語る。伝説は栄光へのプレリュード~脇阪寿一選手インタビュー~最速の彼方を目指して~金石勝智インタビュー~

……これ、ゲームの話載ってるの?
旧スクウェア時代のレーシングラグーン公式サイトでも、本書の存在に一切触れていない。
あまりにも中身がわからなすぎて心配になってくる。この発売から18年が過ぎ、デジキューブも旧スクウェア公式サイトも死に絶えた現在も大して変わっておらず、本書の中身は実際に読んだ人以外ほとんど知らないのではないかと思う。
ここではっきりさせておくが、本書はちゃんとゲームの話が載ってる本である
[ 2017/09/02 22:48 ] ガンダム以外 | TB(0) | CM(2)