MS大全集2013に載っている機体、載らない機体

ガンダムって今何種類くらいモビルスーツいるんだろう?ということを知りたいとき、「MS大全集」という非常に便利な本がある。最新の2013には1200体以上のモビルスーツが載っている(と、帯に書いてある)。
この本に載っているのはちゃんとアニメに登場したものや、公式な外伝に登場したものなどが中心で、これに載っている設定なら誰かに広めても大丈夫という、安心感のある本である。
なのだが、この本にもときどき載っていないモビルスーツがあったりして、その基準がよくわからないという話をしたい。

なお、最新の「MS大全集2013」はカラーページに白黒線画設定集がついている版と、カラーページだけの版の二種類がある。本記事で扱うのは線画設定集つきのほう、高いほうの話なので注意。
(カラーページに載っていない機体も数多くあるので、このバージョン分けは良い判断ではなかったと思う。カラーと白黒で二冊体制にしてくれても良かったのに)

また、アスキー・メディアワークスのMS大全集は98年から続くシリーズだが、前身としてB-CLUBから出ていた「機動戦士ガンダム新MS大全集」というシリーズもあるそうですが、よく知らないので今回は扱いません。
前提
大全集2013の1ページの注意書きに「掲載基準」というのが書いてあるので抜粋する。
「基本的にサンライズ制作によるオフィシャルな映像作品と、それを基準に派生したセミ・オフィシャルな作品の設定画稿を掲載しています。
コミック、小説などに登場するMSについては、サンライズ監修の下に描かれたセミ・オフィシャルな設定画稿を掲載しています。」

だそうで、何がオフィシャルで何がセミ・オフィシャルかの基準が謎だが……
あからさまにパラレルの近藤和久の漫画オリジナルモビルスーツが載っていないのは、まあわかる。
しかし、漫画によってはパラレルではなく公式レベルが高いと考えられるものもあり、それらは載っているものと載っていないものに分かれる。
思うに、大全集に掲載しているものは「セミ・オフィシャル」とみなしていいのだろうが、だからと言って載っていないもの=非公式かどうかは、少し考えてみたほうがいいように思う。

以下、本記事では主に「大全集に載っていない機体」の例を挙げていく。それによって「オフィシャル」「セミ・オフィシャル」が何であるかが少し見えてくるかもしれない。


「ガンダム・センチネル」の一部機体
(ヌーベルGMIII、バーザム(リファイン・バージョン)、ガザC、ゾディ・アック)
Sガンダムなど、ムック「ガンダムセンチネル」に載った機体は半分以上掲載されているが、なぜか一部の機体は載っていない。しかもGジェネに出たゾディ・アック量産型は載っている。
これら「未掲載センチネル機体」について言えることとしては、MS大全集シリーズの前身にあたる「ENTERTAINMENT BIBLE」にも載っていない、ということが言える。
ゾディ・アックに関しては「ENTERTAINMENT BIBLE」発刊後のムックで初登場らしいので、当時載らなかった理由は単に設定ができていなかっただけだろう。思うに他の機体も少し違えど同じような事情なんじゃないかなと見ているが、確かめたわけではない。
とにかくセンチネルについては「当時の本に載らなかったもの」が、現在も補完されることなく載らないままになっているということのようだ。(Zプラスのアムロカラーだけ2003以降補完されている)


小説版機体
1ページの注意書きに「コミック・小説など~」と書いてあるが、厳密に小説版のデザインで載っているものはない。
小説機体はゲーム化、アニメ化などでリファインされたもののみ載っている。

・小説版「閃光のハサウェイ」(Ξガンダム、ペーネロペー、グスタフ・カール、メッサー)
これらはGジェネFでデザインがリファインされており、MS大全集2003にGジェネFのデザインで初めて掲載された。
しかし皆河有伽の「総解説ガンダム辞典Ver.1.5」では小説版のデザインのほうで載っている。このことより、小説版は資料集に載せる要件は満たしているらしく、Gジェネ以降非公式化したわけではないと思われる。

・小説版「機動戦士Vガンダム」(セカンドV)
最近はゲームにも登場するようになったが、資料集への掲載はまだ行われていない。

・小説版「機動戦士ガンダムUC」全般
これもアニメ版のデザインのみ掲載。2013にはep5まで載っている。

・小説「ガイア・ギア」
大人の事情で作品そのものが封印されてると言われている……

・他にも小説オリジナルで設定画の存在しない機体がいろいろあるが、それらは割愛


漫画の機体
2013の時点で、漫画メインのシリーズで載っている作品は、
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」「エコール・デュ・シエル」「機動戦士ガンダム MS IGLOO 603」そして「機動武闘外伝ガンダムファイト7th.」「新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST」。
他に、比較的最近まで設定画の公開されていなかった「G-UNIT」の漫画登場機体も載っている。
載っていない作品と何が違うのか、かなりわからない。
最初に言ったように近藤漫画が載ってないのは無理もない気がするが、完全パラレルのジ・オリジンがいいなら近藤漫画もOKなのでは?
以下はなぜ載っていないのか、特に理由が不明瞭なもの。

・「機動戦士クロスボーン・ガンダム」
実質正史扱い、多数のゲームで活躍、スーパーで食玩が買えるほどメジャー化しているクロスボーン・ガンダムだが、なぜか大全集シリーズでは作品ごと載せていない。
今後確実に「クロスボーンガンダム魔王」が掲載されると思われるので、動向が注目される。

・「機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像」「機動戦士Zガンダム Define」
ゼロ・ジ・アールなどのオリジナル機について大全集ではスルー。Defineについても2013の時点ではまだ扱っていない。
しかしエコール・デュ・シエルやオリジンと一体何が違うんだ…

・「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」の一部機体
(GDストライカー、GDキャノン、GDバストライナー、バージム、グザ、クェル・ドーガ、ガザB)
これらは設定画が前面1枚しか存在せず、設定そのものもまともに作られていない。しかしながら、「ENTERTAINMENT BIBLE」には画稿が載っており、そしてMS大全集98には掲載されなかった。GDバストライナー以外はGジェネFにも登場。
ダブルフェイク自体はというと、現在のGジェネに登場しない、「総解説」はおろか「データガンダム」のような本でも設定画を載せないなど、現在「MS大全集以外の本にはほぼ載っていない」という不思議な扱いになっている(データガンダムは非公式作品を扱う特殊な本なのでダブルフェイク機の名前は一部載っている。だが画稿を載せられそうなページもいくらでもあるのに掲載を回避しているように見える)。
でも年表にNSPの名前が残っていたり、ガンダムパーフェクトファイルにバージムの名前だけ載ってるページがあったりしたので、完全に黒歴史化したわけではないらしい。

・「MSジェネレーション」(GT-FOUR)
ダブルフェイクと同じように最近の本で扱わなくなった漫画で、こちらも過去のGジェネに出ていたが、大全集には以前から載ってない。
同作登場のザクスピードに関しては設定がなさそうなので載せようがないだろうが、GT-FOURは載っていてもおかしくはない感じ。

・ガンダムWとかSEEDも最近の漫画で新MSが増えてたりするが、これら載せてはいけないのか、たまたま載っていないだけなのか。コミック系の基準は特に疑問が残る。


総解説ガンダム辞典Ver.1.5に載っている機体
「総解説ガンダム辞典Ver.1.5」は皆河有伽による宇宙世紀ガンダム全般の解説書。1.5の巻末にはMS・MA図鑑があり、画稿は白黒各1枚のみだが、文章解説は詳しく、宇宙世紀限定で言うなら大全集よりも優れた部分もある。
この「総解説1.5」の図鑑も、センチネル一部機体だけ載っていないなど、大全集と近い基準で掲載機を選んでいるようである。その上で、当時のMS大全集2009に載っていなかったマイナー機で、総解説にだけ載っていたものが幾つかある。この中にはβアジールのように2013で載ったものもあるが、いまだ総解説にしか載っていないものも若干数ある。

・「閃光のハサウェイ」小説版
先に書いた通り。

・ドワス
フルカラーモデルという絶版プラモデルの説明書だけに載ったという謎のドム系MS。
「総解説1.5」はプラモの説明書に載った機体は載せるという方針だったようで(特にそれまでスルーされていたβアジールについて注記がある)、絶版プラモ出典のドワスも例外視せず載せているが、扱いに困ってるような解説がついてる。大全集では普通にスルー。

・ガ・ゾウム(ガンナータイプ)
ガ・ゾウムの旧キットの説明書に載っていた機体。ZZの旧キットは珍しい画稿が載っているが、完全なバリエーション機はこれしかないようだ。ZZ-MSVに混ざれず、孤立してしまったらしい。ガシャポンになったりカード化されたり、ガンダムウォーに出たりと、ドワスに比べればずっとメジャーなバリエーションだが大全集でスルー。

・MSA-120
F90とのコンペに負けた怪ロボット。設定は生きてるようだが、画稿は当時のサイバーコミック以外の媒体ではほとんど載っていない。
これも「総解説1.5」には載っていて大全集で載っていない。いまだどの作品にも分類されていない特殊なモビルスーツだが、設定が浮いてるという点を除けば特にスルーすべき理由は見当たらない。

・ザニー、ビグロマイヤー
ゲーム「GUNDAM TACTICS」のうち、設定画が存在するもの。どちらかというとGジェネで知った人が多いと思われる。総解説では無難に載せているが大全集では載ってない。
同じGUNDAM TACTICS出典でも、設定画が無いらしいガンダムGダッシュは総解説にも載っていない。

・VガンダムMSVの一部
(プロトタイプジャベリン、ジャベリンキャノン、ゾロアット初期生産型、ゾリディアデザート、ゾリディア改、トムリアット偵察型、ゾロローター、シャイターン(近衛師団専用機)、リグ・シャッコー(ビーム・ローター装備型))
「機動戦士Vガンダム NEW MOBILE SUIT VARIATION ハンドブック」掲載機のうち、上記は総解説に載っていて大全集2013では未掲載。逆にトムリアット偵察型(ブラックウィドウ隊機)ほか、同じ出典なのに大全集にしか載っていないものも幾つかある。このシリーズは以前の大全集には全く載っていなかったので、まだ調査が進んでいないのだろうか、単に2013ではページが足りなかったとかかもしれない…
自分も原書は見たことないので総解説とMS大全集の2冊で全部網羅してるかは知らない。どちらにも載ってないのもあるかも。

・ジュニア・モビルスーツ(カミーユが大会で乗ってたやつ)
Zガンダムのアニメに出てるけどMS大全集に載っていないが、これは単にモビルスーツ扱いしてないだけだと思われる。総解説では他の小型機といっしょにモビルスーツ扱い。しかし同じZガンダム登場のジュニア・モビルスーツでも、月面でウォンさんが乗っていたほうはMS大全集にも載っている。


ゲーム系
ゲーム系を一部しか載せていない総解説に比べると大全集のほうが充実しているが、「ゲーム登場MS」として他とは別枠で載せている。大全集2013の1ページの注意書きによると「ゲームに関してはサンライズ監修の下で描かれた設定を掲載しておりますが、これらの多くはオフィシャルな作品に登場シナイカギリ(ママ)、非公式となります。」だそうで、額面通りに受け取ると非公式扱いだけど載せてるということなのか。「オフィシャルな作品」って何やろう…
しかし、そのゲーム系の中でも、載っているのと載ってないのに分かれる。非公式の中でさらに格付けがあるということなのだろうか?

たとえば2013の時点でGジェネはZERO、F、ワールド、ギャザービート、ギャザービート2、モノアイガンダムズの登場機はだいたい載っているのだが、以下の機体は載ってない理由がよくわからない。
・初代「Gジェネレーション」オリジナル機
(タイタニア、量産型ビグザム、量産型ハンマ・ハンマ、ギャン改、ノイエ・ジールII)
なぜか全く載っていない。以前これらが掲載された「データコレクション 一年戦争外伝3プラス」を見る分に、これらは白黒設定画しかないようなのでカラーページに載らなそうだが、その流れで白黒ページに載せ忘れてるだけじゃなかろうか…

・「GジェネレーションSPIRITS」オリジナル機
(ビギナ・ロナ、グレート・ジオング、ネティクス)
これとSDのCGしか存在しないフェニックス・ゼロも載っていない。どうもSPIRITS登場機は大きな設定画が載った本が存在しないらしい。→フェニックス・ゼロの設定画はGジェネワールドの時に公開されていました。
Gジェネ機に関しては大全集98ではまだ載っておらず、2003から掲載されているのだが、Fの機体が半端にしか載っていなかったりして選定が滅茶苦茶だった。単純にこれら機体の整理が進んでいないのかもしれない。

・キケロガ
初期のGジェネに出ていた機体なので一応触れておくが、どうも他社アイテムのデザインと設定が何故か転用されたものらしいので今後も載らないだろう。ちなみに「データコレクション 一年戦争外伝3プラス」にSDのCGで載ってるが情報量はGジェネの攻略本と大差ない。

・「コロニーの落ちた地で…」のほとんど
ホワイト・ディンゴ隊仕様のジムとジムスナイパーIIの2機だけ載っていて、他が総スルー。なぜ半端に載せているのか謎。画稿は両方ともCG。
「データコレクション 一年戦争外伝3プラス」に載ってたのはジム、ゲルググ、アッザム、ライノサラスの4機だった。これまた半端な。

・GUNDAM TACTICS
全て未掲載。上で書いた通り、ザニーとビグロマイヤーは「総解説1.5」に掲載。
これは「データコレクション 一年戦争外伝3プラス」には載っているがザニーは白黒設定画とCG、ビグロマイヤーとガンダムGダッシュはCGのみとなっている。

・シャア専用リック・ドム
・ガーベラ・テトラ改
どっちもゲーム出典じゃないけど、ちゃんとデザインが起こされたのがギレンの野望が最初ということになるらしい。だからGジェネではギレンの野望扱いになってるが、結局大全集ではどこにも載っていない。
しかしCGしか存在しない機体が載っていないわけでもない(フロンタル専用ギラ・ドーガとか)ので、載せられないわけでもないと思う。

・ギレンの野望全般
ゲルググの各エース専用機やギャンのバリエーションなど、全く載ってない。
だが同じような専用機のマツナガ専用ゲルググJやガトー専用リックドムの「めぐりあい宇宙」の機体は掲載している謎。

・ドルメル
アーケードゲーム「EX REVUE」のオリジナル。漫画ガンダムKATANAで活躍した。
格ゲー出身のサイコガンダムMk-IIIがOKなんだからドルメルもOKのような気がするが何かダメな理由があるのかもしれない。



その他、まだ気になるもの

・「Gセイバー」全部
大全集や総解説などに限らず、ほとんどの場合は作品ごと未掲載。しかしビルドファイターズに登場したことで、少なくともガンダムと名のつく作品に出せないわけではないことは確か。なんとなく載せそこなっているだけなのだろうか。

・デザイン変更前のHi-νガンダム
現在はMG版の画稿しか載っていない。昔の画稿はMS大全集98には載っていないが、2003のカラーページには文章なしだが載っている。
「総解説1.5」にはリファイン前もリファイン後も載っていないので、扱いが特殊なのかもしれない。

・STガン
F90の漫画に出てる機体だが、漫画描写以外の設定もあるようだ。だが何に載ったのか全く知らない…

・ビギナ・ギナII
扱いはF91 MSVらしい?
この機体は「鋼鉄の7人」で登場した結果、Gジェネでも「F91 MSV」扱いで出るようになった。しかし何故か大全集にも「総解説1.5」にも載っていない。大して扱いが変わるとも思えないキャノンガンダムは載っているので謎。

・「ADVANCE OF Z」一部機体
この初代AOZはどこまで「設定画」として扱われてるのかようわからんというのもあるが…
たとえば建機バーザムは別名義で商品化されたりしたので掲載してもいいんじゃなかろうか。プレミア化してるムックと当時の掲載誌にしか載ってない建機ザムが商品化されたというのもすごい話ではある。

・「ADVANCE OF Z 刻に抗いし者」の2機
メタス(エーヴィ・アルヴァ専用機)とリック・ディアス(ソウイチ・オビノ専用機)は模型作例を元にちゃんと設定画が描かれているが、大全集には掲載されなかった。どちらもムックには大きいのが載っている。

たぶんこれ以外にも「何で○○が載っているのに××は載ってないんだ?」はまだまだあると思うが、とても把握しきれないのでこのへんで…



なぜ載っていない機体が存在するのか。いくつかは大人の事情を感じるものはある。しかしV-MSVが半端に載っている状況を見るに、全てに明確な理由があるというわけでもなさそうだ。
編集している人たちも、載せる理由・載せない理由のすべてを把握しているわけでは無いのかもしれない。
「オフィシャル」「セミ・オフィシャル」とは何なのか。答えはわかりそうもない。

MS大全集2013という本を通して見ると、「なぜ載ってないのかわからない」が「あらゆるものを網羅してくれないと気が済まない読者のわがまま」と区別はできない程度にはこの本は網羅しており、むしろ期待などしていなかった0080の説明書MSVなどを載せたMS大全集2013は大変頑張っている。
個人的にはSEED、00、AGEのMSVが一冊でいっぺんに見れるというだけでも便利な本なので、2009を持ってない身としては大変満足している。
だからこそ、単純な間違い(レギナの名前がアガレスになってるとか、ジム・クゥエルコンペイトウ方面軍仕様の画稿がジム改になってるとか)や、気になる点(M-MSVの画稿が劣化しまくったjpgみたいな画質になってる。以前の大全集ではそんなことなかった)も大変気になるのではあるが。
[ 2014/05/10 20:34 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)

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