マレーネ・カーンが爆死していた件

(私の姉はザビ家に尽くし、宇宙の果てで死んでいった。しかし私は死ぬものか。
新しい血をザビ家に加え、必ずや復活してみせてやる。ネオ・ザビ・ファミリーよ)


『機動戦士ガンダムZZ』32話「塩の湖を越えて」でハマーンがこのように語っている。

『ガンダムZZ』のラスボスたるハマーン・カーン。その動機には、ザビ家を好いていないというのが根底にある。ハマーンは姉のようになりたくはないのだ。
だからハマーンはザビ家の名前だけ利用して、自分好みのジオンを作ろうとしているのである。44話でもザビ家を利用して見返してやりたいという本心をジュドーにぶっちゃけている。
ハマーン・カーンのこういう立場は、セリフ量としては大したことはないが、アニメでもはっきり描写されているもので、そんなにわかりにくい話ではないと思うのだが…
『ZZ』をちゃんと見てれば、という条件はつくが…

さて『ZZ』32話で言及されているハマーンの姉だが、アニメ中で言及があるのはここだけだ。名前も含めてどんな人物だったのかは定かでないが、アニメの説明だとハマーンと対照的にザビ家に忠実な人物だったようである。
[ 2017/08/06 22:19 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)

バウとバーザムがつながった

発売から一ヵ月経過したが、モデルグラフィックス2017年8月号は、バーザムファンの聖典となる一冊であった。
特に岡本英郎インタビューでは数多くの新事実が明らかになったが、今回はそのひとつ、バーザムがバウになったという話について考えてみたい。

バーザムが可変機だったという噂について尋ねられた岡本氏、「結局それがバウになったんですよ」と衝撃の告白をする。
・デザインが終わったバーザムを今度は変形させようということになり、分離合体のデザインを考えた。
・途中までやって出渕裕に渡した。
・バウの顔は最初はもっとバーザムに近い形だった。

ということで、バウの原型はバーザムだった

いろいろ前提の話が必要だろう。

バーザム可変機説について
そういう噂はあったが、これは特に根拠のある話ではなかった。ネット上で見られた俗説である。
誰が言い出したということでもなく、特定の由来はないと思う。バーザムのMA的な丸い胴体や、リアスカートの羽根っぽい形状とか、なんか変形しそうな感じはあった。
しかし決定稿のバーザム自体は、特に変形しそうな構造は残っていない。
強いて根拠を探すと、数年前に岡本さんがtwitterで可変の話を振られて、否定しない反応を残した、というのがあったのだが、これは思うに可変機としてデザインされていたわけじゃなくて、後から可変機につながったことを思い出しての反応だったのだろう。俗説はあくまで俗説だったようだ。

バウのデザインについて
バウのデザイン経緯は何度か語られているが、ラフもクリンナップも出渕裕のものであり、主にひとりのデザインだと考えられていた。ガンダムZZで出渕裕がクリンナップまでしたのはバウだけだと当時から明言している。あとガルスJの頭部だけ出渕クリンナップ。
バウがZガンダムを意識したデザインということもわかっている。『MISSION ZZ』でも「Zガンダムを単眼にしたイメージで描いた」と語っている。
(デザイン上はそうなのだが、設定上ではごく一部の資料を除いて、Zガンダムとのつながりを示す説明は稀である。近年RE/100でZ計画機の影響を受けた設定を採用している)
トサカがついてるMSは珍しく、バウからバーザムを作れるのではないかという話はモデグラでも以前やっていたが、デザイン段階でつながりがあるとまでは考えられていなかった。

さてバウのラフが載っているのは、『出渕裕 メカニカルデザインワークス I』(2巻は出てないっぽい)の29ページ。バウの原型「ヒリュー」のラフが掲載されているのだが、

>連邦のガンダムや百式をベースに開発されたんでしょーね、やっぱし・・・
ゴッタ煮メカだねホント・・・


いやデザインしたのあなたじゃないんですか?!

この他人事みたいなコメント、つまりラフの前に誰か別の人がデザインしたものがあったということではないだろうか。その段階で百式とZガンダムっぽい要素があったと。
その原案が今まで明らかにならなかったのは、あえて出渕裕のインタビューで触れるようなものではなかったのかもしれないし、むしろ誰がデザインしたものか出渕さんにも定かでなかったのかもしれない。
モデグラの岡本インタビューでも、富野監督がいろんな人のデザインをコラージュしてデザインさせてたという証言をしている。バウもそのたぐいだったかもしれない。

だいぶ憶測が入ってしまったが、ヒリューからバウになる過程で百式要素は薄れ、ゴッタ煮ではなくZガンダムひとつに似せた機体へと集約していった様子はデザインからも見える。
ついでに憶測を重ねると、出渕裕は陣営の違いや開発系譜を比較的考えるメカデザイナーだと思うのだが、バウは敵勢力のパクリという珍しいMSである。これも系譜をあまり考慮していない原案が先にあり、たまたまZガンダムのゴッタ煮っぽかったと考えると話が合ってる気がする…
ゴッタ煮よりはZガンダムひとつに絞ってパクったほうが系譜的に納得しやすいと…

もひとつ、モデグラのインタビューとは別の岡本インタビュー
このインタビューに岡本氏がバウの原型の画稿を持ち込んでいる。「あ、バウだ!」という反応から岡本氏が「バウだとすぐわかるMS」の画稿を持っていたことは確かなようだ。
(このインタビュー、掲載順が前後しているがモデグラのインタビューより後にやってるように思える)間違いでした。モデグラのインタビューはHGUC発売後です。
この最近の情報で、バーザム自体がZガンダムに寄せていることもわかってきており、可変化する過程でZガンダム化していくのは意外に納得しやすい流れにある。

……以上、「バウ=バーザム説」を憶測まじりで周辺資料と照らし合わせた理由についても触れておく。
失礼な言い方をしますが、出渕裕、岡本英郎、両名とも何十年も前のことを正確に記憶しているとは限らない、というのは念頭に置く必要があります。特にバーザムの話はこの30年全く出てこなかった話だった。
「Zガンダムからデザインされたバウ」と「バウの原型はバーザム」、この矛盾しているようにも見える説明は、どちらかの記憶違いや誤認によるものかもしれません。そのため、むしろ疑う立場で文献を確認し、結果、両者の説明に矛盾はないと僕は結論づけ、その確認も含めて記事としました。
今後この岡本証言が補強されるかもしれませんし、逆に反証も出てこないとは言えませんが、2017年の時点では「バウはバーザム」はある程度確認されたものと考えています。

真面目な話はここまでにして、あとは適当な話をする。

憶測重ね
気付いてる人は気付いている話なのだが、センチネルのリファイン版バーザムにはZガンダムや百式の要素が入ってる…
モデグラ8月号の作例でもガンダムMk-IIとバーザムだけじゃなく、頭部と足首にZプラス、スカートに百式を使用している。
Mk-IIの量産機としての「こうなる筈」のバーザムとしては不自然に思える。

岡本原案バウがどんなデザインだったか結局わからないのだが、バーザムを分離可変機にしてZガンダムと百式の要素が混ざったものだとすると…
センチネルバーザムはバーザムをMk-IIにしてZガンダムと百式の要素を混ぜて、最終的にネオジオンに合流したかもしれない機体…そのムーバブルフレームはネオジオンで生かされた…?

バウのラフを見たのが出渕裕だけとは限らない。明貴美加やあさのまさひこ、カトキハジメも見ていたかもしれないし、見てなくても出渕裕から話を聞いていたかも…

これは真面目な話でもあるのだけど、バーザム改にどうしてZや百式の要素が入っているのかは個人的な謎だった。カトキ氏がエゥーゴ側の機体に似た意匠を持ってくる理由、何もないということはないと思う。
と言ってもトサカがついててZガンダムに似てる機体なんてバウくらいしかないし、まさかそのミッシングリンクを意図してるのか…?と僕が考えたこともないではないのだ。
これを「カトキはバウの原案を知っててそれに近づけた」という設定にすれば個人的な謎が説明できる気がする。
ええ、ほぼ妄想の憶測ですよ!

ザム→バウの系譜を設定に組み込めるか
もちろんAOZの出番である。現シリーズがエゥーゴ編まで話が続けばエゥーゴ仕様バーザムも出てくる可能性があるし、ジェガンのスカートの話が設定に反映されたようにバウとバーザムのつながりも可能なら組み込もうとするに違いない。
現AOZはバーザムを「可変構造を省略した機体」と結論づけ、俗説を設定で肯定する形になっている。しかし建機バーザム自体は可変機ではない。
…可変構造戻しちゃってもいいんじゃないかな。
バーザムはTR-6につながる機体であり、特にハイゼンスレイII・ラーなど分離可変機であり、ほぼバーザム族である。バーザムだって頑張れば変形できるはずだ。
上位機であるTR-6とは別に、可変機構を戻したRX-155とかRX-169あたりが対Zガンダムを意識した次世代・分離可変バーザムであり、それが量産前にネオジオンに回収されてバウになる、という筋書きでなんとか行けそうな気がしてきた。
とりあえずこのミッシングリンクはAOZ設定なしでも創造できるくらいまでは来てる気がするが。

最近わかってきたが、バーザムに引っかかりを感じている業界人は想像よりもかなり多いようで、数年内にはハイザックを上回るくらいにバリエーション増えてるかもしれない。
そこからバウか…
出たら楽しいけど期待まではしてない。
[ 2017/08/01 23:04 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)

A.O.Z Re-BootとAOZ2がパラレルである話

本記事は『ADVANCE OF Z 刻に抗いし者』の最終話について書いている。もう完結からだいぶ経った作品であるが、まだ読んでいない人はそのことに注意していただきたい。
今までの記事でも最終話の内容は書いてきたのでいまさらな話であるが…

現在『ADVANCE OF Z』シリーズは、『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』WEB連載で展開している。
読みにくい漫画である。
曖昧な色使い、やたら多い登場人物、飛びまくる時系列、並び順すらどこから読めばいいかわからない。
いや好きなんですよ?
ジオンもティターンズも火星住民もみんな等しくクソだけど苦しい環境で元気に生きてますという本作独自の視点に、見たことのないロボットが説明なしにどんどん出てくる展開で、作者がやりたいことはこれなんだろうというのがよく伝わってくる。
連載は超マイペースの不定期掲載で、2章が一向に終わる気配がなくて全然話が進まないが数えてみたら単行本一冊じゃ済まないくらいのページ数になっててこれどうするんだ感。立体もムックも出なくて商売になってる要素がないぞ。
とにかく読みにくいのはわかっているが、現在は無料で読めるので今のうちに読んでほしい。
何故バーザムが火星で増殖してヒーローになっているのか!ストーリーを読まなければ怪設定の面白さも半減だ。これを読まずに建機ザムを論じちゃならん。
いや本当に小説版「審判のメイス」みたいにリブートも急にパッと消えるんじゃないかと僕は怖いのだ…
[ 2017/07/23 22:46 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)

「機動戦士ガンダム 30周年記念上映 メモリアル・プログラム」の年表について

映画「機動戦士Zガンダム A New Translation」3部作、以下「新訳Z」と呼ぶが、あの3部作をやたら悪く言う人は多いが、僕はあれを嫌いじゃないんですよ。ちょっとばかり古い映像の違和感はそりゃあるでしょうが、新規作画のメカ描写は素晴らしく、また0083などからゲストメカも登場し、そのメカ描写に絞るならUCの前身としても意義はある。
ストーリーの変化だって僕は楽しんだのだ。ケーキ食うシーンとか。
まあ、その違いも楽しいよねーと言えない人がいるのも仕方ないとは思う。宇宙世紀は年表とかがあって、歴史を大事にするシリーズではあるけど、新訳Zは歴史的にはどこにもつながらない。

一応確認しておくが、新訳からTVアニメ『ガンダムZZ』につながらないことは明らかなことである。映画でアクシズは地球を去り、カミーユも精神崩壊しない。代わりにサエグサが変なことを言い出す。
では、この後にジュドーやZZガンダムが存在する歴史が否定されたかというと、それは微妙で、別の「新訳ZZ」にならつながるかもしれないけど、とりあえず元のままのZZにつなぐ気がないことは前提となっている。
逆襲のシャアを含めて映画7部作みたいな言い方も当時していたようなのだが、新訳に逆シャアへのつながりを特に意識した描写があるわけでなく、それにやっぱり『逆襲のシャア』はTV版ZZありきの物語である。
新訳Zは新訳Zで、僕は独立したシリーズというふうに思っているし、公式サイドもそういう判断なんではないだろうか。
メカ的にはフェダーインマラサイだのT3外のヘイズルだのが「あったこと」になってるという不思議な位置づけがされることもあるが。

そんなパラレル的な作品である新訳Zガンダム準拠と思われる宇宙世紀年表が、2017年までの時点でひとつだけ確認されている。それが「機動戦士ガンダム 30周年記念上映 メモリアル・プログラム」掲載のものだ。
「機動戦士ガンダム」30周年記念上映、劇場版3部作好評上映中!
この2009年の「機動戦士ガンダム 30周年記念上映」と同時に販売された特別な映画パンフレットである。

今回扱うこのパンフレット掲載の年表だが、現在のガンダム情勢で重要な存在であるとは、僕は全く考えていない。
ただ、これをなぜか必要以上に重要な資料として喧伝する動きがあるらしい。
どこで。
さあ…
このパンフレットの名前を何かの拍子に知って、内容を知りたい人がひょっとしたらいるかもしれないので、本記事はそういう人向けに「これはそんな大層なもんじゃないですよ」ということを示すものである。
[ 2017/07/16 22:51 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)

バーザムとガンダムMk-IIの関係ができるまで 2017

2017年5月、HGUCバーザム発売に伴い、デザイナーの岡本英郎氏のインタビューがWEB上で公開された。バーザムのデザイン裏話から岡本さんの歴史までいろんなことが明らかになったのである。
『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』 バーザムの真実に迫る&岡本英郎全仕事史インタビュー前編 後編
※このインタビューは6月前半に何らかの問題で一時読めなくなったりしたが、現在は復帰している。前編の内容が一部修正されたようだ。
そして6月24日発売のモデルグラフィックス8月号では別のインタビューが掲載され、先のWEBのインタビューでは不明だった部分も込みでバーザム関係についての多数の事実が明らかになった。

この2度のインタビューで判明した新事実はかなり多いが、今回このブログで重視するポイントは、デザイン段階でガンダムMk-IIの量産機という設定を岡本氏が知らなかったことだ。
おおかた予想できていたことではあったが、ついに初めて明言された。

バーザムのデザインがMk-IIと似てないことはわかっていた。わかっていたが、決定的な証拠は一度も見つかることなく、どうしても後付けだと断言できない状況で長いこと膠着していた。当事者でない僕にデザイナーの意図を勝手に決めることはできないからだ。だから状況証拠の掘り下げばっかり進んで、いつまで経っても調査は終わることはなかった。
それが、たぶん史上初めて、デザインした本人によって明言された。
やっぱりその意義は大きいのです。スッキリしました。
ちなみにインタビュー中でこの事実はものすごく簡単に流されており、読者も聞き手もデザイナー当人もあまり重要視していなかったことがよくわかったのであるが、いいんだ。僕にとっては重要だったんだ。

だから今回まとめるのは、僕以外にはあまり重要ではないかもしれないこと、このMk-IIとの関係が後付けだったことについてである。
実際その他の新事実のほうが興味深い内容が多かったのだが、それはいずれ別の機会にやるだろうから今回はパスで、「どうしてバーザムはガンダムMk-IIになっていったのか」ということに論点を絞る。
まあ、前から言ってる通り、僕自身これが問題のある後付けだとは全く思ってなかったんですが、今回はその話をすると決めたのだ。今までも多くの記事にばらけて書いてきたが、今回はひとつにまとめて、最新情報も追加し、今までより読みやすい形にしておきたい。
一部は以前の記事と重複する内容があることをご了承ください。
[ 2017/07/02 01:08 ] ガンダム | TB(0) | CM(0)